【神社の正しい参拝作法】作法の由来や意味、お賽銭の金額などよくある疑問も解説!

初詣や、人生の勝負どきなど、大事な節目に神社へお参りする方や

御朱印集めなどライフワークの一環として日常的に参拝する方など

ほとんどの人にとって神社や神様は身近な存在です。

 

参拝の前に、改めて【神社の正しい参拝作法】をおさらいしましょう!

正しい参拝作法で、神様にもいい気分になっていただければ、心願成就に近づきます。

 

「お賽銭の金額はいくら?」

「拝殿の前で手を合わせている間、神様に何を伝えればいい?」

「唱え言葉は唱えるべき?タイミングはいつ?」

など、よくある疑問にもお答えします!

神様に対面する前に!鳥居〜手水舎までの参拝作法

鳥居をくぐる前に鳥居前で一礼を

御霊神社

鳥居をくぐる前には、まず鳥居前で一礼をします。

鳥居は、神様のいる《神域》と、私たちの住む《俗界》を分ける門です。

一の鳥居、二の鳥居など、鳥居がいくつか続く神社があります。

そこでは、本殿に近づいて「ここから神威がさらに増すよ〜」という境目に鳥居が設けられていて、鳥居の幅も狭まっていきます。

一の鳥居、二の鳥居…ごとに一礼して、神様に敬意を示しましょう!

 

参道は真ん中を避けて端を歩く

参道の真ん中は《正中》と言って、神様の通り道なので、参拝者は真ん中を避けて端を通ります。

参道が舗装されている時は、舗装路の端を歩いても、脇の砂利道を歩いても構いません。

ただ、雨などで脇道が泥や雨水でぬかるんでいる時は、境内を汚さないためにも舗装路を歩きましょう。

 

 参道の玉砂利にも注目!

神社の参道に敷かれている玉砂利には、その場と人を清め祓う意味があります。

古来、「玉」には”きれいなもの”という意味がありました。

玉砂利を踏むと鳴る、ジャリジャリという音にも、お清めの効果があります。

歩を進めてジャリッという音が鳴るたびに、なぜか心がスッキリして感覚が研ぎ澄まされていく気がするはず!

 

手水舎で口と手を浄める

参拝作法

清潔な身体で神様に対面するために、手水舎(てみずしゃ)で口と手を清めます。

手水舎での作法には順番があります。

  1. 柄杓を右手に持ち、水を汲んで、左手に水をかけて清める
  2. 左手に柄杓を持ち替えて、右手を清める
  3. 右手に柄杓を持ち替えて、左の手のひらに水を注いで、口をすすぐ(柄杓に口をつけてすすぐのはマナー違反です!)
  4. もう一度、左手を清める
  5. 柄杓を縦にして、柄杓の中に残った水を柄に流してきれいに清める

柄杓の水は何度も汲まずに、ひとすくいの水で上記の手順を行えると、後に待つ人にもスムーズに順番を譲れて良いですね。

手順の説明板がない手水舎もあるので、ぜひ覚えておきましょう!

 

 手水舎でのお清めは禊の代わり

昔は神社に参拝する前には、川や禊場に浸かって身体を清める《禊》が行われていました。

古事記では、伊邪那岐命は黄泉の国から戻ってきた後、穢れを落とすために海水に浸かって禊祓を行いました。

それを模倣して、神社への参拝前にも、身体を清めるために禊が行われるようになります。

とはいえ、毎回参拝前に服を脱いで川や禊場に浸かるのは大変!

そこで、鎌倉時代以降ごろからは参道に手水舎や手水鉢を設置し、禊を簡略化したお清めが行われるようになりました。

伊勢神宮内宮には、今も五十鈴川に御手洗場が設けられていて、参拝者はそこで手を清めます。

 

 手水舎の注ぎ口に龍が多い理由

手水舎で、龍の口がら水が出てくるのを見たことがある方、多いのではないでしょうか!

龍は、水をつかさどる神様(=龍神)と言われています。

「手水舎にいつでも清らかな水をたたえ、参拝者や境内を清浄に保つ」という願いを込めて、龍の口を置く神社も多いそうです。

 

拝殿での参拝作法。いよいよ拝殿で神様にご挨拶!

拝殿の前で軽く一礼して、お賽銭を納める

参拝作法

拝殿の前に立ったら、ご挨拶も兼ねてまず軽く一礼。

その後に、お賽銭を納めます。

神様に納めるものなので、お賽銭は投げ入れず、そっとお賽銭箱に入れましょう。

神様へのお願いや、日頃守ってくださっていることに対する感謝の気持ちを、お金を納めることで表します。

昔はお米を納めていましたが、貨幣が登場して、徐々にお金を納めるようになったそうです。

 

鈴を鳴らして神様をお呼びする

参拝作法

次に拝殿に吊り下げられている鈴を鳴らします。

鈴は、古来から神霊を招き、悪いものを祓う神秘的な祭道具とされていました。

拝殿で鈴を鳴らすのは、音によって神様に参拝をお知らせしてお呼びする意味と、厄災や穢れを祓って参拝者を清める意味があります。

鈴から垂れている紐は、《鈴緒(すずお)》と言い、鈴緒を両手で握って鈴を鳴らします。

 

二拝二拍手・お祈り・一拝

参拝作法

拝殿前でのお祈りは二拝二拍手一礼です。

  1. 腰を90°に折る深いお辞儀で、二拝します。
  2. 右手を左手より少し下に下げ、はっきりとした音で二回拍手をします。
  3. 拍手で高さをずらした手の位置を戻し、両手を合わせて静かに心の中で願いを伝えます。
  4. 最後にもう一度、90°の深いお辞儀で、一拝します。

拍手で手を打ち合わせる時、右手を左手より少し下(左手の第一関節に右手の指先を合わせるくらい)にします。

右手を下にずらす理由は諸説あり、拍手の後にずらした手を戻して合掌する動作によって神様と一体になるとか、右手をずらすと良い音で拍手ができるからだとか。

また、二拝二拍手一拝を終えたら、今日の拝謁へのお礼として、軽く一礼して拝殿を離れましょう。

 

 古代から拍手は高貴な人への敬意を表す動作だった

拍手は貴人に敬意を表す動作として、古代から行われていました。

3世紀末に中国で書かれた『魏志倭人伝』には、日本の風習や国の様子が記されていますが、その中に日本の人々は高貴な人に対して拍手をしていたことが記載されています。

拍手の回数が多いほど、身分が高いとされ、伊勢神宮や出雲大社、新潟の弥彦神社では「二拝・四拍手・一拝」の作法が取られています。

 

おみくじや御朱印は神様への拝礼を終えてから

吉田神社(水戸)の御朱印

神社参拝のお楽しみである、御朱印やおみくじは、拝礼を終えてからいただきましょう!

混雑緩和のため拝礼前に御朱印帳を預けて、拝礼後に受け取る神社もありますので、その場合は神社の案内に従います。

拝殿への拝礼後は、本殿をぐるりと回って彫刻を眺めたり、境内社へお参りしたり、各神社の見どころをゆっくり見て回るのも良いですね!

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よくある参拝の疑問にお答え!お賽銭はいくら?服装は?

参拝作法

お賽銭の金額はいくら?

特に決まりはありませんので、お願い事や感謝の気持ちに応じた額をお納めください。
ご縁があるように、と5円を納める方が多いです!
穴が空いた5円玉や50円玉は”見通しがいい”とも言われます。
他には、”いい縁”で11円や、”始終ご縁”で45円なども!
10円は”縁が遠くなる”から避けるべきとも言われます。(5円玉×2は”重ねてご縁がある”の良い意味)
ただ、その時お財布にちょうど5円がないこともありますし、縁起担ぎとはいえ根拠もなければ、誰が言いだしたとも知れぬ語呂合わせなので、私はそんなに気にせず10円玉を納めることもあります。

拝礼の時は神様に何を伝えればいいの?

日頃の感謝や、お願い事、決意、前回お願いしたことのその後の報告、氏名や住所などをお伝えします。
お願いを伝える時は「〜が叶いますように」という伝え方ではなく、
「〜を実現するために〇〇を頑張るので見守っていてください」という決意表明の形で伝えましょう。
神様が迷わず自分を見つけてくれるようにと、名前を名乗り身元を明らかにして、住所を伝えると良いとされています。
昇殿参拝での御祈祷の際、ご神職が参拝者の住所と氏名、お願い事の内容を読み上げるところもあります!

唱え言葉は唱えるべき?いつ唱えるの?

たまに拝殿に「祓い給え、清め給え、神ながら守り給え、幸わえ給え」という唱え言葉が掲示されています。
文字の通り、《祓い清めてください、守り、幸せにしてください》と神様に対するお願いの言葉です。
拝殿に「唱え言葉を唱えましょう」と掲げてあれば、拝礼の際に心の中で唱えるのがベターですが、必ずではありません。
身を清め、謙虚な気持ちで拝礼に望んでいるのなら、お願い事はどんな伝え方でもOKです。
唱え言葉を唱えるタイミングにも
  • 鈴を鳴らした後、まず二拝をして唱え言葉を唱えてから、二拝二拍手一拝の拝礼を行う
  • 手を合わせてお祈りをする際に、心の中で唱え言葉を唱えてからお願い事を告げる
など諸説あります。
心を落ち着けて唱えられる、自分のやりやすいタイミングで唱えましょう。

参拝時の服装に決まりはあるの?

通常の参拝には、特に服装の決まりはありません。
普段着にスニーカーでも大丈夫です!
ただ、身分の高い、神様に会うことを考えて、朝のお散歩ついでに寝巻きで…など、普段でも人と会うのがはばかられる服装での参拝は控えたいところです。
神様に向かって拝礼をする時は、帽子やサングラスは外します。
拝殿の中に上がって御祈祷をしていただく際は、スーツなどフォーマルな服装を心がけましょう。

拝殿は自由に中に入って見てもいい?

勝手に拝殿に入って中を見ては、いけません!
中にある奉納額やお供え物が見たくとも、拝殿の中は美術展示コーナーではなく、祈願や祭礼儀式を行う場所なので、外から見える範囲で我慢しましょう。
ただ、稀にご神職から「拝殿の中も見てってよ!」と声をかけていただける場合もあります。
その際はお言葉に甘えて、中を見させていただきましょう!

 

自転車やベビーカーで境内に入ってもいい?

自転車は×、ベビーカーはだいたいの神社で可です。
自転車は駐車場があれば駐車場へ、無ければ近隣の駐輪場か邪魔にならない場所に停めて、参拝しましょう。
また、ベビーカーは神社によっては不可だったり、階段が多い神社ではベビーカーの方がかえって不便なこともあります。
ベビーカーで行っても大丈夫か不安なママさん・パパさんは、事前に調べておくのがいいと思います。

 

おわりに

神社の基本的な参拝作法をご紹介しました!
神社によっては、昔から伝わる独自の作法があることもあります。
その際はその伝統作法に倣って、お参りしましょう。
正しい参拝作法で、神様にも、他の参拝者にも、自分にとっても清々しい参拝をしましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました♩
神社の参拝作法MV
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